横歩取り勇気流~52玉76飛③(39手目19と)
どうも、タネタです。
横歩取り勇気流の中盤以降の指し手について
ソフトを使って検討していく記事です。
※※※複雑な局面、難解な形勢となっているため、ソフトの読み抜けや大反省、
筆者の圧倒的な棋力不足による誤解がある可能性があります。
書かれてある情報を鵜呑みにするのは危険です。※※※
____ブログ内で使用した語句として____
本ブログでは勇気流の定跡を先手を持つとして考えていますので、
先手からの変化はなるべく少なく、
後手からの変化はなるべく多く取り上げるつもりでいます。
また、後手の変化については先手は知っている必要があると考えているので
定跡の「分岐」、
先手からの変化は、人によって採用するしないを判断すれば良いと考えているため
定跡からの「変化」という表記にしました。
一般の将棋用語と異なる使用方法であって混乱を招くことがあるとすれば
筆者の知識不足で申し訳ないですが、
お付き合いくださると幸いです。
(もし間違っている場合は正しい用語をおしえてくださると
とてもうれしいです。m(_ _)m)
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前々回の記事にて、勇気流に対し後手が5二玉・7六飛と横歩を取る展開について
プロの実戦譜の進行を見ていきました。
横歩取り勇気流~52玉76飛①(実戦の進行と課題局面) - 将棋序盤好きの小言
この記事の後半で触れた36手目に△1九とで香車を取る展開について
(36手目 1九とまで)
先手をもっても頑張れそうな筋を探していきたいと思います。
1九と以下
▲4五桂△8八角成▲同銀△4四香▲7七銀と進みました。
(41手目 7七銀まで)
この局面で△4二銀が指されました。
(本記事のテーマ1図 42手目 4二銀まで)
ここで△4五香も十分に有力なので、後でテーマ2として検討します。
△4二銀に▲2二歩と先手が攻め込みました。
△4二銀に対して先手も▲5八銀としまっておく手もありそうですが
△7三角が好手で先手から手が出せなくなってしまいそうです。
(参考図 44手目 7三角まで)
先手は5五角から1一角成の攻めと4六歩で桂馬を支えておく手などが
指せたはずなのですが、△7三角でどちらも防がれてしまいます。
よって先手は5八銀としまる余裕はなく、
▲2二歩から攻め込んでいくしかない局面なようです。
以下、
△2二同金▲5三桂成△同銀
(46手目 5三同銀まで)
ここで替えて5三同玉もなくはないのですが、同銀が自然ですね。
5三同玉の場合、
▲2三歩△1二金▲4一飛△5二玉
▲2一飛成△3一金▲同龍△同銀▲2一飛
(参考図 55手目 2一飛まで)
が一例で、先手は攻めていくことができそうです。(形勢はほぼ互角)
本譜の進行に戻ります。
46手目△5三同銀以下
▲3一角△3二金▲5三角成△同玉▲4一飛△5二玉
▲2一飛成△3一歩▲2四桂△4二金▲3一龍△4一金▲1一龍
と進み、先手は手順を尽くして龍を作り攻め込みますが、
後手も4筋に金のバリケードを築いて守ります。
(59手目 1一龍まで)
今まで受けに回っていた後手に待望の反撃の手番が回ってきたわけですが、
△4七香成には▲4四歩、△5六歩には▲5五香と
すぐさま反撃が返ってきます。
4七香成から検討して見ましょう。
プロの実戦からは後手から変化した攻め筋となりますので
分岐Aと呼びます。
(分岐A図1(分岐開始局面) 60手目 4七香成まで)
後手から強く攻め込んできましたので、
先手も気合で負けじと▲4四歩と反撃していきましょう。
(分岐A図2 61手目 4四歩まで)
ここで△4四同歩と応じるようでは、▲4三歩以下先手の攻めが続く形です。
△4七香成と攻め込んでいったからには後手も負けじと攻める手を指すのが自然です。
この形での後手の狙いの攻め筋は△4六角ですね。
次の△5七角成がまともに刺されば先手玉は寄り形に近いです。
先手は王手で▲4三歩成△同金を決めてから、
▲7九玉として角のラインから遠ざかっておきます。
(分岐A図3 65手目 7九玉まで)
ここで後手が一気呵成に△5七角成と攻め込むのは急ぎすぎで
▲6八銀打△2四馬▲5三歩△同金
▲4一龍△同玉▲2一飛△5二玉▲2四飛成
(分岐A参考図 75手目 2四飛成まで)
と進めば
・先手玉は堅く
・4九の銀を狙う手には▲1六角と王手で利きを足すことができ
・▲5四歩から攻めることができるので
先手がかなり勝ちやすい局面だと思われます。
▲6八銀打に△7五馬と逃げることもできますが、
▲4五香△4四歩▲2二飛△4二桂▲3二桂成としていけば
自然と先手が攻め込んでいける形ですね。
(分岐A参考図 73手目 3二桂成まで)
ですので、後手もいったんは△3一歩などと受けておくのが
ソフト推奨手となっています。
(分岐A図4 66手目 3一歩まで)
ここから先手は1三龍や2二龍あるいは、4八香などから攻めていって
やや指しやすし(評価値+350~+200)という評価なようです。
ということで、60手目に△4七香成から後手が反撃に出るのは
▲4四歩のお返しが鋭く、先手にやや分のある攻め合いとなりそうでした。
次に60手目△5六歩の反撃を見ていきましょう。
(実戦での進行です。)
(60手目 5六歩まで)
これには歩裏の香が手筋の反撃ですね。
(61手目 5五香まで)
ここから
△6二玉▲5三銀△同金▲同香成
△同玉▲4一龍△5二銀▲3二龍
と進んで
(69手目 3二龍まで)
後手は4筋に築いた金のバリケードが一瞬で吹き飛んでしまいました。
しかし、この局面で再び後手に手番が回ってきたのも大きそうです。
ここで実戦は
△3一歩▲2二龍△2一歩▲3一龍△8七歩▲7九玉
△4七香成▲4四歩△4六角▲4三歩成△同銀
と進みました。
(80手目 4三同銀まで)
パッと見は▲6一龍と金を取るのが自然なのですが、
△5七歩成の詰めろが厳しく、▲8六飛と角を取りに行こうにも
△6六桂▲同飛△5六と、や
△5六角として、4六の角を守りつつの寄せがあり、
後手に押し切られてしまいそうです。
そこで、4五飛から▲6五金を見せつつ4六の角を抜きに行きたいのですが
(実戦はそのように進行)
後手が飛車角を持っていると、
本譜のように△6五角成と金を抜きがらの詰めろが飛んできてしまうので、
先手が6一龍と金を取る手番が回ってこないようです。
では、先手はどこで変化していくのが良さそうなのでしょう。
感想戦にて阿久津八段が示したのが
△4七香成の局面で▲4四歩に替えて▲4八歩です。
(先手の改良手 77手目 4八歩まで)
後手の攻めとしては5七の地点にはと金を作りたいのですが
この局面では5七成香とするよりありません。
先手からの▲4四歩の攻めを放棄するだけに
浮かびにくい一着ですが、後手も攻めが難しくなり
先ほどの気が付くと後手にうまい手が隠されている変化よりは
有力なのかもしれません。
この局面で▲4八歩が効果的であることを念頭に
先手の変化筋をもう少し考えてみましょう。
実戦の中でも△2一歩は打ち得なのかどうかが
棋譜中継コメントにて触れられていましたが、
その後に△8七歩からの攻めの時に後手が歩切れになり、
後手の得が少なそうです。
△2一歩が指されなくなるのであれば、
その前の△3一歩に対して▲3一同龍と取ってしまうのが
先手としては実戦と形が似るので、
後手の注文に乗るのにしてもそこまで気分は悪くなさそうです。
(先手から変化するので、変化Bと呼びます。)
(変化B図1(分岐開始局面) 71手目 3一同龍まで)
実戦と同様に進んだとすると
△8七歩▲7九玉△4七香成▲4八歩!△5七成香
(変化B図2 76手目 5七成香まで)
この局面自体の評価値は、パソコンの性能や評価関数などによって大きく異なることが予想されますが、
先手後手ともに一手間違えると一気に負けになる局面ですので
事前に攻め筋を抑えている方が勝ちやすいですね。
先手の指し手の候補は
①3二飛
②5四歩
③6五金(疑問手の可能性高、候補手を3手挙げさせているために表示されただけ?)
が挙げられており、これらを中心に先手からの寄せ、後手からの厳しい攻め筋
を各自確認されることをお勧めします。
私のPCと棋力では、評価値の乱高下を乗り越えられず
たしからしい情報と確信する自信は持てませんでした。
この辺まで来ると指してみないとわからないなぁーというのが今のところの感想です。
はっきり差がついている局面ではなさそうなので、
研究があれば十分に先手もやれる局面ではありそうです。
さて△4七香成に▲4八歩を中心に検討してきましたが、
△8七歩▲7九玉の交換が無ければ
▲4八歩と打つ得が少ないことをうっかりしてはいけませんね。
(参考図 70手目 4七香成まで)
(△3一歩も省いてきた場合)
ここでは▲7九玉と逃げておいて
①△4六角と貯める手には▲4八歩△5七成香
(△5七角成には▲6八金打で先手陣堅い)
▲4五金から角を抜いてしまうのがわかりやすいです。
②△5七歩成と攻める手には▲6五金と寄せ合いで先手が勝てそうです。
もう一つ後手から△4七香成と攻め込むタイミングがありますね。
△8七歩に替えて△4七香成です。
(分岐Cと呼びます。)
(分岐C図1 72手目 4七香成まで)
やはりここでもいったん▲7九玉と逃げておきましょう。
△5七歩成と攻め込んでくるのは、
▲4四歩の反撃が刺さりそうです。
手抜きは▲4三歩成△同銀▲5四歩△同銀▲4二飛などの攻めがあります。
(分岐C図2 81手目 4二飛まで)
手抜いて△4六角には▲4三歩成△同銀▲4五金が
上部を抑えつつ角取りで後手忙しいです。
(分岐C図3 79手目 4五金まで)
そこで△4四同歩は仕方ないところですが、
▲3三飛打と迫り、△6四玉や△6二玉には▲5三歩が厳しい攻めです。
△4三桂は5五の地点にも効いていて後の攻めも見た攻防手なのですが、
平凡に▲4五歩と合わせていくのが速く、
ギリギリですが攻め合いは先手がなんとかできそうです。
(分岐C図4 79手目 4五歩まで)
ということで、だいぶ戻りますがテーマ1図の
42手目に△4二銀と引き締める手は
(再掲テーマ1図 42手目 4二銀まで)
▲2二歩から攻め込んでいき
先手が互角以上でやれそうですね。(有利とは言い切れないほどの差ですが)
あと先手として気になるのは、
42手目に△4五香と変化される展開ですね。
(本記事のテーマ2図 42手目 4五香まで)
この局面でも27手目に▲8二歩△同銀を決めておいた効果で
▲5五角や▲8五飛が厳しくなっています。
まずは▲8五飛を見てみましょう。
(変化D図1(分岐開始局面) 43手目 8五飛まで)
銀香両取りですが
▲8二飛成と王手で銀を取られながら龍を作らせるわけにはいかないので
△7二金として銀取りを受けるのが自然に見えます。
そこで▲4五飛と香車を外しておいて
(変化D図2 45手目 4五飛まで)
この局面は▲飛△金桂の2枚替えで
陣形は金銀4枚が自陣で安定している後手の方がよさそうです。
この変化は先手としてやや冴えないように見えます。
また、44手目△7二金では替えて△3七角も有力で
(変化D図3 44手目 3七角まで)
後手は6四馬や7三馬と手厚く指すこともできますし
△2九と~△3九との攻めも速く、
先手苦戦しそうです。
そこで43手目は▲5五角を本譜の進行とします。
(43手目 5五角まで)
やはり銀を取らせるわけにはいきませんので、
△7三銀が自然な進行ですね。
ここで勢い▲1一角成と行くのが手の流れですが
△8八歩がうまい利かしでどう応じても後手の攻めがうるさそうです。
この△8八歩の進行はこちらのブログで拝見した手です。
△8八歩▲同金△8七歩で
①▲8七同金は△7五桂と金取りで玉頭に利きを足して味の良い攻めですね。
以下は8筋を歩で乱す手と4七香成で自然と挟撃形になりそうです。
②▲7八金や③▲9八金と寄るのがまだマシに見えますが
△4七香成のときに③9八金型の方が▲7八玉の逃げ道が大きそうに見えます。
(参考図 50手目 4七香成まで)
△2七角が厳しいので先手は忙しいですね。
一例として
▲4四歩△同歩▲2一馬として次の▲1二飛に期待する攻め合いはあり得ますが
△6五桂▲6六銀△8八金で挟み撃ち完成ですね。
(参考図 56手目 8八金まで)
△8八歩に④▲8三飛と打つ手もあり得ますが
△4七香成としておいて、次の△8九歩成と△2七角成が厳しいのは
ブログに記載されてある通りですね。
▲1一角成では先手苦しそうだったので
▲5八銀といったん戻してどうかですね。
(45手目 5八銀まで)
ここで後手の手が広いです。
香取りも受けてしまう手として、①3三角を見ていきましょう。
(分岐E図1(分岐開始局面) 46手目 3三角まで)
これには▲3三同角成△同桂▲2一飛と攻めてみたいですね。
(分岐E図2 49手目 2一飛まで)
先手は次に▲2三歩からの攻めがあります。
一例:
△3七角▲2三歩△4八角成▲2二歩成
(分岐E参考図 53手目 2二歩成まで)
次の▲3二とが厳しいですし、
△2二同銀は4一角から後手玉がほぼ寄り筋です。
後手には▲2三歩よりも速い攻めが必要です。
その一つが△4八金です。
(分岐E-1図1 50手目 4八金まで)
次の△5八金▲同玉△4七香成▲同玉△6九角が厳しい攻めですね。
△4七香成に▲6八玉などの方が粘れますが△8八歩を手抜けず
後手の攻めが止まらなそうです。
よって、△4八金には▲6九銀と躱して
以下は一例ですが
△8八歩▲同金△8七歩▲9八金
△4七香成▲4四歩△同歩▲3四角
△6二玉▲6一角成△同玉▲2二金
として先手の攻めが速そうです。
(分岐E-1図2 63手目 2二金まで)
▲2三歩より速い後手の攻めとして、もう一つ
△5五桂も見てみましょう。
(分岐E-2図1 50手目 5五桂まで)
ここでは▲4六歩と突きだすのが先手の面白い手だと思います。
△同香に▲4四歩から反撃できます。
(分岐E-2図2 53手目 4四歩まで)
△4四同歩は▲3四角△6二玉▲4一飛が攻めとして厳しく
△5一金打として受けるのであれば、▲4四飛成としておいて
後手の指す手が難しそうです。
(分岐E-2参考図 59手目 4四飛成まで)
▲4四歩に対して△4八香成と攻め合いに来る場合は
▲4三歩成△同金▲6九銀△4二銀として
(分岐E-2図3 58手目 4二銀まで)
難解な形勢だと思います。
先手は2三角や4一角などの攻めや
8三飛や8五飛などいくつか手段がありますので
先手を持って頑張り甲斐のありそうな局面だと思います。
(形勢は互角)
ということで、46手目①3三角は
(再掲分岐E図1 46手目 3三角まで)
先手も互角に戦えそうです。
先ほどの変化の中で△4八金からの攻め筋がありましたので
①3三角に替えて46手目に②4八金と攻めるのはどうでしょう。
(分岐F図1(分岐開始局面) 46手目 4八金まで)
後手の狙い筋は
などとしてくるかんじですね。
(分岐F参考図 52手目 4八角まで)
△4八金には▲6九銀と躱して
(分岐F図2 47手目 6九銀まで)
一直線に指すのであれば
△4七香成だと思うのですが
(分岐F-1図1 48手目 4七香成まで)
以下
▲8三飛△8二歩▲7三角成△8三歩▲8二飛と進めば
(分岐F-1図2 53手目 8二飛まで)
先手の攻めが厳しそうですね。
後手も飛車を下ろして5八金(成香)の攻めがあるので
先手有利とは言い切れませんが、先手も戦えそうな感じです。
そこで48手目に△4七香成と行く前に味付けをしたいところですが
△8八歩▲同金の交換を入れて△4七香成は
先ほどと同様に
▲8三飛△8二歩▲7三角成△8三歩▲8二飛
(分岐F-2図2 55手目 8二飛まで)
と進んだときに
先手玉が7九~8八ではなく、7八~8七と逃げることになるため
△2九飛からの単純な攻め合いにおいては
△8八歩▲同金の交換は先手の得になっていそうです。
では、△8八歩▲同金△8七歩▲9八金△4七香成はどうでしょうか。
(分岐F-3図1 52手目 4七香成まで)
これは▲8三飛に△8二歩が打てませんね。
(分岐F-3図2 53手目 8三飛まで)
そこで△7一金と受けるのは
▲7三角成△同桂▲同飛成△6二角
▲6四桂△4二玉▲5一銀△同角
▲7一龍△6二銀▲5二金△3三玉▲6二金
が一例で
(分岐F-3参考図 67手目 6二金まで)
先手の攻めが好調ですね。
△7一金などとはしても仕方なかったので
△8八歩成としてどうかですが
ここで成り捨てるならそもそも△8七歩の叩きは失敗だった
と言っているようなものですよね。。。
△8八歩▲同金△8七歩▲9八金△6五桂だよー!
(分岐F-4図1 52手目 6五桂まで)
とソフトで表示されるのですが
これは直後に▲6六銀で先手有利だと反省を始めます。
以下は
△4七香成▲6五銀△5九角▲7八玉△5八成香▲7三角成△同桂▲8二飛
のように進めば先手優勢と言えそうです。
(分岐F-4参考図 61手目 8二飛まで)
ということで46手目4八金には
(再掲分岐F図1 46手目 4八金まで)
▲6九銀と躱した後
▲8三飛から角と協力して攻めることで先手も互角に戦えそうです。
46手目の候補手として、もうひとつ③3七歩もあるようです。
(分岐G図1(分岐開始局面) 46手目 3七歩まで)
ここでも▲1一角成から攻め合いを目指すのは
△3八歩成~△4八との寄せ合いで後手の攻め合いが速いですね。
また、▲3七同角も△2九角が厳しいので指してはいけない手ですね。
そこで▲8二歩がお返しの反撃です。
(分岐F図2 47手目 8二歩まで)
△3八歩成▲8一歩成と進んで
(分岐G図2 49手目 8一歩成まで)
ここで銀取りの受け方が問題ですが、
①△6四銀と角に当てて受けるのは、▲同角と切られて
△6四同歩▲7三桂△6二金▲8二飛で先手は攻めることができます。
(分岐G参考図 55手目 8二飛まで)
銀取りは②6四歩と受けるのがよさそうです。
(分岐G図3 50手目 6四歩まで)
▲6五桂△6二銀▲6四角△4八と
▲6九銀△4七香成▲7一と△同金と進んで
(分岐G図4 58手目 7一同金まで)
ここで先手は
①5三地点で精算してから5一飛と
②先に7三飛と打ってから5三地点に殺到していくか
の2択になります。
①を見ていきます。
(分岐G変化①図1 59手目 5三桂成まで)
△同銀▲同角成△同玉▲5一飛△5二歩▲7一飛成までは一直線ですね。
(分岐G変化①図2 65手目 7一飛成まで)
ここで手番を活かして△5八とが厳しいです。
▲同銀△同成香▲同玉△4七角で
(分岐G変化①参考図 70手目 4七角まで)
▲4七同玉は△5五桂から詰みます。
取っていくのは危ないので
△5八とに▲7九玉は仕方ないところですが
△8七歩くらいで先手玉は寄っていそうです。
(分岐G変化①図3 68手目 8七歩まで)
もうひとつの②の方を見てみましょう。
(分岐G変化②図1 59手目 7三飛まで)
△7三同銀は▲5三桂成から詰むので、5三地点に利きを足すところです。
△2六角は▲5三桂成△同銀▲同角成△同角▲5四銀が厳しいので
(分岐G変化②参考図 65手目 5四銀まで)
△6一桂や△4一桂と安い駒で利きを足すのが普通でしょうか。
▲5三桂成△同桂▲同角成△同銀▲7一飛成と進み
(分岐G変化②図2 65手目 7一飛成まで)
変化①図では△5八とに▲同銀と取れなかったのですが、
今回は後手の桂馬が一枚しかないので、
△4七角を▲同玉と取って詰みはありません。
よって、59手目は②7三飛が優りそうで、こちらを本譜手順とします。
(再掲分岐G図5(名称を変更してます) 65手目 7一飛成まで)
図から△5八と▲同銀△同成香▲同玉に△6二銀打と受けに回ります。
(分岐G図6 70手目 6二銀打まで)
ここで8二と7二のどちらに飛車を打つかが難しいのですが、
▲7二飛の方が優りそうです。
以下は一例ですが
△4六桂▲6八玉△4七角▲7九玉
△8七歩▲同金△5四角▲8二飛成
△6九角成▲同玉△8七角成▲同龍△7一銀▲8三龍で
(分岐G図7 85手目 8三龍まで)
6三角以下の詰めろで龍を戻れるので先手に攻めのターンが来たといえると思います。
ということで46手目③△3七歩には
△8二歩から反撃していって先手もやれそうです。
だいぶ話が戻りますが、
変化Dで取り上げた43手目▲8五飛よりも
本譜手順とした▲5五角の方が互角以上で戦えそうですね。
実戦で指された△4二銀(テーマ1)と
有力な△4五香(テーマ2)への対策をきちんと持っておけば
39手目1九との展開も先手をもって頑張れそうです。
繰り返しになりますが、この記事の指し手には欠陥がある可能性がありますので
「ここはおかしいぞ!」がありましたら
この記事にでも構いませんし、Twitterでもコメントを受け付けております。
最後に、途中にも紹介させていただいた研究ブログの作者様への
紹介の許諾と分岐F,G(46手目4八金・3七歩)を指摘してくださったことの
感謝を述べて本記事を終わりとさせていただきます。