横歩取り勇気流~22銀82飛型⑤(角交換から44角)
どうも、タネタです。
前回の9/13投稿記事で22銀82飛型をいったん終わりにしようと思っていたのですが
さっそく9/14に22銀82飛型で新しい形を見かけたので、
すこしだけ、その変化を見ていきます。
実戦は2017年9月14日順位戦C級2組4回戦石田直裕五段-三枚堂達也五段戦です。
22銀82飛型で、先手が35飛~38銀と立ったところまではよくある進行です。
(23手目3八銀まで)
細かい違いとしては、私の記事では後手の42玉型と41玉型について、あまり区別せずに見てきましたが、
後手が速攻を狙っている場合には、42玉型が多いですね。
一方、後手が堅く囲う(中原囲いを目指す)場合には41玉型が多いです。
さて、ここで、後手が8八角成~4四角と飛車取りと88地点での2枚替えを狙ってきます。
(手順:24手目△8八角成▲同銀△4四角まで)
(26手目4四角まで)
前回の記事でも似たような筋を少しだけ紹介しましたが、
実戦ではここで▲6六角と角を打ちました。
(27手目6六角まで)
ここで△3五角も△6六同角もあるところだと思いますが、
実戦例では△6六同角と進行しました。
(28手目6六同角まで)
以下、▲6六同歩△3三桂▲7七桂△7二銀▲2四歩と進みました。
この▲2四歩がどれほどの手なのか、イマイチよくわかっていないのですが
露骨に2三角と打ち込んで金か銀と交換しに行ったり、23歩成の筋から33地点を薄くしたりする筋など、厳しい攻め筋を見た手なのかと思っています。
(33手目▲2四歩まで)
このあたりから、先手は3七桂~4五桂や6五桂などと、中央に桂馬を活用していく手を攻めの軸に、それを厳しくする味付けをどれだけ重ねられるか、が考え所なのかと思っています。
先手の▲2四歩から△8四飛▲3七桂△2七歩と進みました。
(36手目2七歩まで)
△8四飛は次に24の歩を取ってしまおうという狙いなのかと思ったのですが、
すぐに2四飛としますと、▲8二歩で桂馬が取られてしまいますし、△2八飛成と攻め合っても、▲8一歩成~▲3四桂が厳しい攻めなので、先手が攻めて行けそうです。
▲3四桂を防ぐ△3四歩は格言通りの手で飛車取りにもなるのですが、
▲8五飛と手順に攻められてしまいますので、やはり先手の攻めが厳しそうです。
(36手目を△2四飛とした場合)
36手目△2七歩を替えて△2四飛として場合の手順例:
①▲8二歩△2八飛成▲8一歩成△2七角▲3四桂
(41手目3四桂まで)
②:▲8二歩△3四歩▲8五飛△2八飛成▲8一歩成△2七角▲2九歩!(好手)
(43手目2九歩まで)
などの進行がありそうです。
△2七角に替えて気の利いた攻めがあれば良いのですが・・・
私程度の棋力では見えてないです。。。
実戦では△2四飛と歩を払うことなく、△2七歩として攻め合いに出ました。
(再掲36手目2七歩まで)
△2七歩以下、実戦ではいよいよ先手の桂馬が攻めに活躍していきます。
▲2五桂△2八歩成▲3三桂成△同銀▲4五桂△3四銀▲5三桂成
(43手目5三桂成まで)
技巧2で検討したところによれば、この▲5三桂成の感触が良くないようです。
替えて▲6五桂と中央に足していき、
△3五銀(他の手もあり得る)▲5三桂左成△5一玉▲2三歩成(△同金は▲4二角以下後手玉相当危ない)△4四銀▲3二と△8六角▲7七銀(△5三銀は▲8六銀が▲4二角以下に詰めろ)△5三角▲同桂成△同銀▲7五角△8九飛成▲5三角成
(57手目5三角成まで)
と一直線に進んだ場合、△6九飛から王手が相当続くものの先手玉に詰みはなく、後手玉は受けが難しそう(読み切れてはいないですが)ので、先手やれそうです。
この変化の途中で後手に変化を見つけるか、43手目▲6五桂への応手△3五銀を替えるかが必要になりそうです。
実戦では43手目▲5三桂成以降
(再掲43手目5三桂成まで)
先手後手ともに厳しく攻め合いますが、三枚堂五段のTwitterにもありましたように、
58手目▲5九角△7九玉▲8七桂で先手玉は捕らえられてしまいました。
おそらく本譜を下敷きに先手後手の改善策がプロの公式戦で現れる日がいつか来ることを願って、本記事は終わりにします。
最後になりますが、本記事で取り上げた実戦は名人戦棋譜速報サイトにて有料会員登録をすることで閲覧可能です。
43手目以降の手順が気になる方はそちらでご確認くださるようお願い申し上げます。