将棋序盤好きの小言

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横歩取り勇気流~22銀82飛型④(38銀に△27歩)

どうも、タネタです。

横歩取り勇気流の序盤を勉強していく記事です。

前回までで、

勇気流に対し後手が2二銀・8二飛型に構える展開では

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(20手目△8二飛まで)

21手目に①3五飛か②3七桂のどちらも有力そう、という内容を見ていきました。

今回は3八銀とたった形に対して△2七歩と形を乱しに来る手について取り上げます。

 

プロの実戦では2017年1月14日朝日杯行方-佐藤天戦を見ていきます。

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(24手目△2七歩まで)

21手目▲3五飛以降、△4二玉▲3八銀△2七歩と進んで画像の局面です。

ここで本譜の進行は自然に▲2七同銀です。

そこから1九の香車が受からない展開まで直線的な進行です。

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(32手目△2八角まで)

手順:▲2七同銀△8八角成▲同銀△2八角▲3七角△同角成▲同桂△2八角

ここから▲4五桂△1九角成▲8三歩と進みました。

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この叩きの歩が良い手で、△8三同飛だと守りに効いていた飛車の横効きが消えるので、

▲5三桂成から▲3二飛成を狙って先手の攻めが決まってしまいそうです。

従いまして、本譜は△9二飛としましたが、▲7七桂として2枚の桂馬が攻めに活用できそうで先手が気分よく攻めていける展開と言えそうです。

 

これ以外の△2七歩の反撃の筋を実戦譜からは見つけられなかったのですが、

もう少し別のパターンの反撃についても見ていきます。

一つ目は、△2七歩▲同銀△8八角成▲同銀△4四角です。

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(28手目△4四角まで)

前にも一度出てきました、88地点での2枚替えと35の飛車取りの両狙いを受けることはできません。

この局面で先手の対策の手が広く、私の棋力ではどれが最良か判断できないのですが、

A. 7七角(同角成同桂で桂馬が跳ねられる&77角のラインを活かして35歩~34歩と攻める)

 

B. 6六角(同角なら同歩で88の2枚替えが緩和される、77角よりも84歩と抑える手がある分はたらきが良い)

 

C. 8三歩同飛を入れてから66角or77角(飛車の横効きを消して、84歩と先手で飛車先を止めることもできる)

 

などいくつか有力そうな変化がありそうです。

この3つの変化の検討は、しばらく先の記事ですが、

角交換から3三金の変化で行う予定です。

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(22手目△3三金まで)

 

もう一つの変化として△2八歩を見ていきます。

(手順は△2七歩▲同銀△2八歩)

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(26手目△2八歩)

後手は歩切れになりますがと金はできそうです。

以降、3七桂と逃げておいて、△8八角成▲同銀△2九歩成に▲7七角(または6六角)と打っておいて、先手がやれそうかもです。

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(31手目▲7七角まで)

先手の狙いとしては、▲2二角成△同金▲3一銀という攻めがありますので、

次に8三歩と叩いていく手もあるかもしれません。

例として、画像局面から△1九と▲8三歩として、後手の飛車の働きを悪くできます。

また、画像局面から△2八と、と銀取りを見せる手も考えられるところではありますが、

これは▲4五桂と跳ねていく筋が迫力満点で先手好調のようです。

▲4五桂△2七との進行は

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▲2二角成△同金▲3一銀で

i)△4一玉は▲5三桂不成

ii)△5一玉は▲2二銀不成(or成どちらでも可?)~▲3一飛成

が厳しく先手優勢です。

2七とを替えて▲4五桂に△4四角と受ける手はありますが、

ここでも▲8三歩が間に合います。(同飛は44角同歩53桂成)

やはり飛車は横に逃げるしかありませんが、

▲2六銀といったん銀を逃げつつ△3五角に同銀を用意して

45の桂馬が安定します。

また飛車を52に逃げますと、▲4四角△同歩▲1六角という手もあるようです。

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(39手目▲1六角まで)

進行の例として

ア) △4五歩▲5二角成△同金▲6一飛

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(43手目▲6一飛まで)

次の71の銀取りと21の桂取りが受からない。

イ) △4二角▲5二角成△同玉2四飛

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(43手目▲2四飛まで)

次に44の歩を外されるとたまったものではないが、▲3二飛成△同角▲2二飛成は大事件。

ということで、26手目△2八歩~2九歩成の攻めは

先手の77(or66)の角のラインと45桂の攻撃力が高く、先手も十分やれそうな感じです。

 

1九とや2八とでは乱暴すぎるということで、

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(再掲31手目▲7七角(or6六角)まで)

から△3三桂などとして▲2二角成からの攻めを緩和するのも考えられる進行ですが、

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(32手目△3三桂まで)

シンプルに▲4五桂と跳ねていき、

a) △同桂▲同飛では▲3四桂が厳しいのでやはり先手が攻めに困ることは無さそうです。

かといって▲4五桂に

b) △1九となどと悠長なことをしていると▲2三歩がきびしい攻めで△同銀なら▲3三桂成から突破されてしまいますので、

△2三同金と取りますが続いて▲2四歩が継続した攻めで

同金などでは33の地点から突破されてしまいます。△3四歩などとしても▲2三歩成から▲3三とが厳しく飛車を取る暇がありません。

 

以上見てきましたように、先手の38銀49金型を△27歩から乱そうとする手に対しては

機を見て37桂~45桂と跳ねだしていく手が迫力のある攻めで

先手が攻勢をとれそうな変化が多そうです。

角交換から44角として飛車角交換を挑む展開は、後手にとって有力そうな変化ですが

その詳細については、また別の(けっこう後の方の)記事で取り上げていきたいと思っています。

本日の記事は以上です。

今回の変化では、私が将棋ソフト「技巧2」を使用して分岐を見ていきましたので

他に気になる変化がいくつか見られたかもしれません。

「これで先手困ってないの?」「後手にこんな良い手があるよ!」「先手にもっと面白い筋がある!」などのご意見がございましたら、コメントくださるとありがたいです。

 

追加。。。

当初の予定と棋譜の進行が変わりました。

そっと、前回までの記事のコメントも全て替えました。もし、ご期待されていた内容と違っているようでしたら申し訳ないです。