横歩取り勇気流~22銀82飛型②(21手目37桂)
どうも、タネタです。
勇気流の序盤をプロの棋譜から勉強する記事です。
今回の記事から局面への評価として「気分良し」と抽象的な表現を使用しますが、形勢に差があるほどではない程度の評価のつもりです。
前回の記事では
この局面で先手の指し手が3通りあるかな、という話をしました。
実戦で最も多いのは①▲3五飛ですが、3五飛以外の手では何か嫌なところがあるのでしょうか?
というところを今回の話題にします。
1つ目の実戦例では2015年12/8の第74期順位戦C級1組7回戦 大平武洋五段(当時)-佐々木勇気五段(当時)を見ていきます。
上の局面から▲3七桂(21手目候補手②ですね。)△8八角成▲同銀△3三銀▲3五飛△4四角と進みました。
(26手目44角まで)
さてこの局面、88の地点での2枚替えと、35角からの飛車角交換の両狙いになっています。
88の地点での2枚替えを許すわけにはいかないので、飛車角交換は甘受するしかありませんね。
形勢は互角なのだと思いますが、序盤で飛車角交換を避けられないのは先手として少し気分が悪いですかね。(序盤は飛車より角とはいえ、私は飛車を取られたくありません。。。)
ですので、もうすこし気分の良い展開にならないと困ってしまいますね。
別の実戦で先手の改善策が登場しました。
その改善策が
(再掲20手目局面)
▲3七桂△8八角成▲同銀△3三銀に▲8三歩!です。
(25手目83歩まで)
飛車取りを逃げないなんてドキドキしてしまいますね。
局面図以下△8三同飛▲8四歩△8二飛▲3五飛△8四飛▲7五角と進みました。
(31手目75角まで)
相手に歩を2枚も渡してしまいましたが、次の53角成が受からず(54飛は45桂で銀桂交換になり先手気分良し)先手がやれそうな展開みたいです。
実戦はここから
△2四飛(2016年10/7王将戦羽生-深浦戦)と
△8二飛(2017年5/26,27名人戦佐藤天-稲葉戦)の
2例があるようですが、どちらも先手が勝っています。
この変化で後手自信無しなら、8八角成からの順を自重するのかもしれませんが、
それなら45桂と跳ねだしていく攻めなど先手の楽しみが多そうな展開だと思われます。
ここまでの内容をいったんまとめます。
21手目に②▲3七桂を選択する場合、
△8八角成~△3三銀と飛車を取りに来る順がやや気になりますが、
▲8三歩~▲8四歩と飛車をたたいてから▲3五飛と逃げ、△8四飛に▲7五角で先手やれるのではないか、ということでした。
この局面からの変化に自信がある場合には21手目に②▲3七桂と跳ねる手も悪くなさそうです。
この先の記事で21手目①3五飛からの変化を考える場合には、この局面と比較しようと思います。
横歩取り勇気流~22銀82飛型③(21手目35飛) - 将棋序盤好きの小言