将棋序盤好きの小言

将棋の定跡や自戦感想戦を載せます。

横歩取り勇気流~52玉76飛①(実戦の進行と課題局面)

どうも、タネタです。

横歩取り勇気流の序盤をプロの実戦譜から勉強していく記事です。

 

前回までで後手の

①2二銀8二飛型

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②8五飛-2五飛型

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の序盤を見てきました。

 

どちらも先手の攻め、後手の受けという展開になりやすく

先手は攻めの工夫を、後手はしっかり受けて反撃を考える楽しみのある展開のようでした。

 

今回からは、後手も攻めてくる展開について見ていこうと思います。

今までのような先手が攻めに専念できる展開ではないので

先手もきっちりと事前準備が必要になることと思います。

気合を入れて頑張っていきます。(*´▽`*)

 

まずは勇気流の基本図からの進行を見ていきます。

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(17手目 6八玉まで)

 

この局面から△5二玉▲3六歩△7六飛と進みます。

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(20手目 7六飛まで)

 

この後手の形は、勇気流の歳の離れた双子の兄(?)である青野流に対して

最近もっとも多く指されている対策と同じ形です。

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(参考図 20手目 7六飛まで)

 

参考図では、後手から△8八角成が来ると将棋が終わってしまうので、

△7七角や△7七桂とする将棋になっていきます。

 

一方、勇気流の形では7八の金に玉のヒモがついているので、

△8八角成からの先手になっていないため、

21手目に▲3七桂と攻めの手を指せるのは先手が得した気分ですね。

(※だから勇気流の方が良いというわけではありません。)

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(21手目 3七桂まで)

 

少し蛇足になりますが、単の7六飛についても少し見ておきましょう。

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(参考図 18手目 7六飛)

ここで実戦では▲3六歩が指されています。

歩の損得はなくなりますが、3七桂から4五桂の速攻を見た本筋の手ですね。

 

ただし、後手に8六飛と戻られて後手も十分に攻撃力のある形になりますので

これはこれで有力な展開となりそうです。

 

筆者はこの形で攻め合いに持ち込もうという後手の主張を否定したので

19手目に▲8四飛の展開を検討したことがあります。

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(参考図 19手目 8四飛まで)

パッと見は王手飛車をかけてみたいところですが

△8八角成▲同銀△9五角には▲7七歩の飛車取りがお返しに効きます。

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(参考図 23手目 7七歩まで)

ここから飛車の取り合いは、後手の角の働きが悪く、▲2四飛の筋で攻めの目標にされそうです。

後手陣は5三と6三の歩が浮いていて、居玉なので飛車を打つ場所にも苦労します。

かといって、△2六飛と逃げるのは、1五角で王手飛車をかけてもいいですし、

▲8一飛成△2九飛成▲6五桂としておいて

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(参考図 27手目 6五桂まで)

先手の攻めの方が速そうですね。

もちろん変化の余地はかなりあると思いますが

5二玉と備えずに横歩を取りに来たことを後悔させていきたいなー

というのが筆者の狙いです。

 

さて、本譜の進行に戻りましょう。

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(再掲 21手目 3七桂まで)

 

ここで△8六飛と変化する可能性もなくはない手です。

ただ、▲3八銀に△7二銀(悪手)などとすると

▲4五桂△8八角成▲同銀△3三歩▲5三桂成△同玉▲7五角で

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(参考図 31手目 7五角まで)

飛車取りと▲5四飛~▲5三角成が厳しく先手勝勢に近そうです。

8六飛で後手にすぐの攻めがあるわけでもなく、

先手に一気の攻めを目指される可能性もあるので、

△7四飛から交換を迫る方が後手として面白い手と言えそうです。

 

22手目から△7四飛▲同飛(3五飛は角交換から△2六角)△同歩▲3八銀

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(25手目 3八銀まで)

この▲3八銀は個人的には指しておきたい手なのですが、

羽生先生曰く、「3八銀とかやってる将棋じゃなかったのかもしれませんね」

として、①7七桂、②8四歩、③2四歩といった代替手が感想戦で検討されたそうです。

しかし、どれも先手にとって冴えないようで、以降も実戦譜は▲3八銀が続いています。

以降の変化でどうしても先手苦しいようなら、ここから変化していかざるを得ないのかもしれませんね。

 

本譜は▲3八銀に対して△2八飛が村山七段の用意の手で、

研究会で経験済みの局面だったそうです。

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(26手目 2八飛まで)

ここで一号局である羽生-村山戦(2017/7/14竜王戦決勝トーナメント)では

シンプルに▲2七歩だったのですが、

第二号局広瀬-稲葉戦(2017/7/19順位戦A級)では

▲8二歩△同銀の交換を入れてから▲2七歩でした。

 

この将棋は後に角交換になりますので、

▲5五角の筋が厳しくなるようにしておくのが大事な利かしで

このタイミングを逃すと叩きが入らない可能性が高いので、覚えておきたい一手ですね。

 

ここからは一直線に進みます。

27手目▲8二歩から△8二同銀

▲2七歩△2六歩▲3九金△2七歩成▲2八金△同と▲4九銀

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(35手目 4九銀まで)

 

この局面で後手に有力な手が①3九と、②1九との2つあります。

①3九とはと金を玉側へ活用する自然な厳しい攻めに見えますね。

まずはこちらを見ていきましょう。

 

△3九と▲5八銀△3八と▲4五桂△8八角成▲同銀△4八と▲6九銀で

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(43手目 6九銀まで)

後手はジリジリとと金を活用し、先手は手に乗って右の銀桂を活用できています。

この局面で後手がどのように指すかがこの将棋の勝敗につながってきそうです。

実戦の進行は△8七歩で、

これに1)▲8七同銀は△8八歩でi)▲7七桂は△5九角から詰み、ii)▲8八同金は△5九角~△5八とが厳しく、iii)▲7九玉ならすぐにはつぶれないが桂損。

2)▲8七同金は△8六歩が厳しく、a)▲8六同金は△5九角で王手金取り、b)▲7七金は△5九角~△5八と、c)▲8五飛には△3七角と受けて後手がやや指せるか。

3)▲7七銀と躱すと先手玉が瞬間すごく狭い形でこわいところ。

 

本譜はこの後の△8八金が疑問で金を渡したことによって後手玉に寄せが生じてしまったようです。

また、△8七歩と打ったために▲8五飛と打たれたときに8筋に歩が打てないのも

先手の指し手に得を与えているようで、最善が難しい局面ですね。

 

△8七歩に替えて、△3三桂も有力な変化と見られていたようですが、

広瀬八段の予定は▲3三桂成△同金▲5五角△7六桂▲7七玉△4四角▲同角△同歩▲2一飛

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(参考図 53手目 2一飛まで)

で先手やれそうという評価だったそうです。

 

43手目▲6九銀から後手がどう攻めてくるのか、が今後の検討課題となっているのが現状だと思います。

このあたりをもう少しだけ、次回の記事で検討してみたいと思います。

 

話を少し戻しまして、36手目の分岐②1九との進行も見てみましょう。

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(再掲 35手目 4九銀まで)

ここで△1九とと、そっぽにいっても香車をもつのが阿久津八段の工夫です。

王将戦二次予選松尾-阿久津戦(2017/8/11)

ここから▲4五桂△8八角成▲同銀△4四香と進みました。

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(40手目 4四香まで)

7六桂の筋があるので、先手は桂馬を簡単には渡したくありません。

また、現状では4七香成とされるのも嫌なので、指されてみると嫌味な香車です。

 

本譜はここで桂取りを受けずに▲7七銀と進みました。

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(41手目 7七銀まで)

ここで△4五香が自然ですが、

▲7七銀で受けられたところばかりなので▲5五角の両取りが返ってきます。

この局面では手が広く、後手にさらなる工夫のし甲斐があるように見えます。

このあたりの指し手をまた、後日別記事にて検討していきたいと思います。

 

本譜は△4二銀として▲5三桂成の筋を先受けしました。

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(42手目 4二銀まで)

▲5五角の筋を受けておいて、桂馬を取りますよー

といくものとばかり思っていましたが、

▲5三桂成△同玉の形も嫌なところなので、じっと自陣に手を入れる

焦らない手というのは、いかにも強そうな人の指し手っぽいですね!

 

さて、この局面、松尾八段の第一感は▲5八銀だったそうです。

やはり△4五香には▲5五角が残っていますし、4七にヒモ付けしたので先手の状況が良くなっています。

しかし、▲5八銀に△7三角とされると、

▲4六歩と桂馬を支える手を消され、▲5五角の攻めも先受けされて

今度は後手の条件がかなり良くなっているように見えます。

そこで、実戦は仕方なく▲2二歩と攻め込んだそうです。

以下は

△2二同金▲5三桂成△同銀▲3一角

△3二金▲5三角成△同玉▲4一飛

△5二玉▲2一飛成△3一歩

▲2四桂△4二金▲3一龍△4一金打と進みました。

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(58手目 4一金打まで)

ここで手番が後手に渡り、後手待望の反撃のチャンスが来たのですが

△4七香成には▲4四歩、(本譜)△5六歩には▲5五香の反撃があるため

バランスが取れている局面と言えそうです。

 

本譜は最後に1九のと金が働いて先手玉が詰む展開となりましたが、

58手目以降もしばらく難しい展開が続いていたようです。

受けなしに見える局面から後手の絶好手で自玉を安全にし、

先手玉を即詰みに打ち取った本譜は阿久津八段の強さが光る一局だと思います。

ぜひ一度並べてみてほしい棋譜です。

 

今回の記事はここまでとします。

次回以降は36手目△3九との進行での課題局面43手目6九銀の局面を

見ていく予定です。

 

横歩取り勇気流~85飛-25飛型⑥(27手目46歩の進行)

どうも、タネタです。

横歩取り勇気流の序盤を勉強していく記事です。

 

いろいろ検討しましたが、

やはりあとは実戦を重ねて定跡の進行を見守るのがいいかなー

と思ってしまっている今日この頃ですが

検討した分は記事にしようかと思います。

 

さて、前回までの記事で

勇気流に対し後手が8五飛~2五飛として2筋に歩を打たせる展開では

①27手目8四歩

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(27手目 8四歩まで)

の進行と

②27手目4六歩

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(27手目 4六歩まで)

の進行があり、

 

①27手目8四歩は、一見不安定な歩ながら飛車をいじめられたときに

手順に8五飛と回る手が飛車先逆襲を見据えていたり、

4五桂~5三桂成同玉7五角の王手飛車を見せていたり、

と様々な変化の中で盤面全体を使って支えられている歩でした。

しかし、8四歩に7二銀と立っておくと、先手からのすぐの攻めは意外と難しく

以降は6~8筋での空中戦でじりじりとした展開になりそう

というところまでは見てきました。

 

②27手目4六歩の進行は実戦例が少なく(手元には1局のみ)

定跡といえるほどの蓄積はまだないのですが

後手は指したい手がたくさんあるものの、

動かす駒が難しい局面なのではないかと考えています。

 

今回の記事では、この②27手目4六歩に対して

後手はどのような手を指してくるのか、いくつか検討してみたいと思います。

本記事の基本図

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(再掲 27手目 4六歩)

 

前回の記事の後半で紹介した実戦では

28手目に5二金としたため、8四歩が厳しい攻め筋として成立する展開となりました。

28手目の候補手①5二金はこの実戦の進行で先手良しと結論付けることにします。

(実戦:2017/10/10 順位戦C1 佐々木勇気宮田敦史)

 

28手目の候補手②6二銀

後手がゆっくりしたい展開について見てみましょう。

横歩取りの後手の持久戦と言えば中原囲いですね。

ということで28手目に6二銀としてみましょう。

 

急戦形の将棋をよく指す人なら、この局面はぜひ強く戦ってみたい局面ですよね!

(※感想は個人の意見で善悪を保証するものではありません)

 

動き方は何通りかあるのですが

▲3三角成~▲8三歩~▲8四歩~▲8三角で決まっていれば

もっとも変化の余地が少なそうです。

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(35手目 8三角まで)

手順中後手が変化するとしたら3三角成に同金と飛車に当てるくらいですが

▲8三歩△同飛▲8四歩△8二飛▲3三飛成△同桂▲8三金として飛車を取り返せるので駒損なく攻めることができそうです。

▲8三金以降、△8三同飛▲同歩成の局面で

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(参考図 39手目 8三同歩成まで)

先手は次に▲8二角から桂香を拾う狙いと

▲3五歩~▲3四歩と桂頭を狙っていく手があるので攻めには困らなそうです。

 

本譜に戻りまして8三角の局面です。

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(再掲 35手目 8三角まで)

 

6一の金取りと5六角成~8三歩成の狙いがあります。

両方を受けるには△7一金~△7二金です。

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(38手目 7二金まで)

馬ができて先手が良さそうです。

 

 

 

やはりいきなり6二銀から中原囲いに行くのは危なそうですね。

8四歩~5六角~8三歩成の攻めがいつでもあるので

△5一金~△6二銀として中原囲いに行くのも危なそうです。

 

▲8四歩の拠点が嫌味な展開が多いので△7二銀と8三の地点を厚くしてみましょう。

28手目の候補手③7二銀

 

ここでいつも通り▲8四歩としていくのは△6四歩が厄介です。

6四同飛は角交換から8六角の王手飛車があります。飛車の横効きがとまったままでは

せっかくの8四の拠点が払われてしまいますね。

ここで先手から暴れる順(評価値-100~+150ほど)もあるのですが

そもそも8四歩を垂らす一手とは限らないので別の攻め筋を考えてみましょう。

 

4五桂と跳ねていく攻めも自然に見えますね。

以下、△8八角成▲同銀△3三歩で飛車を4段目から動かして4四歩で急がされると

先手の攻めが無理していそうですね。

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(参考図 34手目 4四歩まで)

どうやら、この7二銀型は意外と強敵なようです。

いったんじっと8七歩とおさめに行きましょう。

 

後手がうっかり△2二銀としたら▲4五桂△8八角成▲5三桂成!

△同玉▲3二飛成△4四馬(5五馬もある)▲3四金△5五馬▲4三金△6四玉▲7七桂と進み、

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(参考図 41手目 7七桂まで)

角金交換で駒損ながら竜を作ることができ、先手の攻めと後手の受けという形になります。

評価値は先手がすこし有利といった程度なので、攻め間違えると大変なことになりますが

後手の玉形があまりにも不安定なので先手勝ちやすそうです。

 

そこで△8八角成▲同銀△2二銀が安全な手順です。

▲7七桂△3三銀▲3五飛△6四歩(いろいろあり得る)▲6六角が一例で

先手は以降、角のラインを活かして手を作りに行く展開になりそうです。

現状は先手が歩を使うことができないのですが、

3,4筋の歩を切る展開になれば攻めに迫力が増してきそうです。

 

このように28手目の候補手③7二銀ではすぐさま先手の攻めが決まる形は見つかりませんでした。

しかし、基本的には先手の攻め対後手の受けという構図にはなりそうです。

先手に事前準備があれば、主導権を握って互角以上で指せそうな展開でしょうか。

 

 

 

今回は挙げなかった候補手で有力なものもおそらくあるのでしょうが

8四歩から8五飛の飛車先逆襲や8三角の馬作り、5六角から8三歩成

4五桂~5三桂成で王手〇〇取りを狙う

7七桂~4五桂、6五桂の2枚桂

6六角と設置して、4五歩~4四歩や3五歩~3四歩

など先手の攻め筋は多くありますので

どの変化でも先手は攻めを中心に考えて生きるのではないかと期待しています。

 

今後の実戦でこの形の定跡がどんどん整備されていくのを楽しみしながら

85飛-25飛型の記事をいったんおしまいにしたいと思います。

 

次回からは勇気流対策でもっとも研究量がものを言っていそうな展開である

対策④52玉76飛を見ていく予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横歩取り勇気流~85飛-25飛型⑤(27手目84歩の進行)

どうも、タネタです。

横歩取り勇気流の序盤をプロの実戦譜から勉強していく記事です。

 

前回の記事で先手の急戦策25手目▲8三歩の展開について見ていきました。

その記事でも書きましたが、私はこの作戦を採用する必要性が薄いと考えています。

なぜならば今回紹介していく進行で先手が無理なく先攻できると思っているからです。

今回紹介する棋譜3局は先手で勇気流を指すのであれば

一度は目を通しておきたい棋譜だと思ってます!

・2017/03/23 竜王戦1組 豊島-三浦(千日手になった対局)

・2017/07/31 竜王戦決勝トーナメント 羽生-稲葉

・2017/10/10 順位戦C1 佐々木勇気宮田敦史

 

それでは進行を確認していきましょう。

勇気流基本図から24手目8二飛までの進んだ局面で

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(24手目 8二飛まで)

 

この局面を評価して見ましょう。

後手は2,3筋と8筋の歩が切れていて、初形から32金33角の2手を指した形です。

先手は8筋の歩が切れていて1歩得し、初形から78金68玉37桂の3手指した形です。

 先手は2筋に攻めで歩を使うことはできませんが、歩得と手得ができています。

先手の陣形は、とりあえず38銀の一手は指しておきたいところですね。

 

後手の陣形は立ち遅れていますので指したい手は

4二玉や4四歩、5二金~4三金右、6二銀や7二銀など

たくさんあります。

しかし一手や二手でしっかりした形を目指すのが難しく、

後手の指し手は簡単ではないようです。

 

ということで、

先手は焦らずに一度は3八銀と陣形を整備しておきましょう。

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(25手目 3八銀まで)

 

この局面で4四歩は指されたことがあります。

・2016/11/17 王座戦 佐々木勇気-中座

 

勇気流(68玉型)では4筋の歩を突いても玉のコビンではないので

青野流(58玉型)に比べて、4六歩~4五歩と攻めやすいです。

そこで4六歩と突いていき、

以下△8六歩▲8四歩△8七歩成▲同金

△8四飛▲8五歩△2二角▲4五歩

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(35手目 4五歩まで)

と仕掛けて

△3三桂▲4四飛△4四同飛▲同歩

△6八玉▲4六飛△4二銀▲3五歩

△2四飛▲2七歩△3四歩▲2六飛

△1四飛▲3六飛△3五歩▲同飛△2三金

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(52手目 2三金まで)

▲2五桂などが厳しく先手優勢そうです。

 

この進行は一例で変化の余地はあるかと思いますが

先手は4筋に争点があると飛車角桂で攻めやすくなっていそうです。

 

再び25手目3八銀の局面に戻りまして

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(再掲25手目 3八銀まで)

 

▲4五桂の攻めが見えているので△4二玉も自然に見えますね。

そこで▲8四歩が豊島八段の工夫です。

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(27手目 8四歩まで)

 

8四の歩は飛車の紐しかついていない不安定な歩なので

後手としては△2二銀~3三銀(2三銀)として飛車を動かしに行くのが

自然な進行に見えます。

・2017/03/23 竜王戦1組 豊島-三浦戦では

28手目2二銀に、先手は▲4五桂と跳ねだしていき、

△8八角成▲同銀△3三桂と進みました。

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(32手目 3三桂まで)

この3三桂に替えて3三歩の方が堅く、

ソフトの評価値で比べてもわずかに3三歩を推奨しているようですが、

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(変化図 32手目 3三歩)

▲2四飛△2三歩(後の▲2二飛成~▲8三銀などが嫌味)

▲2五飛と進みます。

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(参考図 35手目 2五飛まで)

△8四飛と歩を回収すると、

▲5三桂成△同玉▲7五角の王手飛車があり、

一例として

△6四飛▲同角△同歩▲4一飛

△5二玉▲2一飛成△3一金▲同龍△同銀▲2三飛成

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(参考図 49手目 2三飛成まで)

と2筋を突破できれば先手優勢と言えそうです。

 

△8四飛と歩を払うのは危なかったので別の手を選択することになりますが、

先手は機を見て▲5三桂成~▲8五飛と8筋を逆襲する狙いや

8三に駒を打ち込む攻めや▲7七桂から2枚桂など

攻め筋がたくさんありますので、先手が楽しく指せそうです。

 

本譜に戻りまして、32手目△3三桂を見ていきます。

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(再掲 32手目 3三桂まで)

▲3三同桂成△同銀▲3五飛△4四銀

(替えて△8四飛は▲6六角~▲4五桂が怖いところ)

▲8五飛△7二銀▲8三桂

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(39手目 8三桂まで)

露骨に桂馬をねじ込んで、先手が8筋からポイントを稼ぐことができ

先手が有利になっているかと思います。

 

後手の方針として、△2二銀~△3三銀としていくのは

8四の歩を払えるわけではなく、手順に▲8五飛からの8筋逆襲があるので

2手掛ける価値が薄いようでした。

 

そこで27手目▲8四歩に対して△7二銀と立ったのが稲葉八段の工夫です。

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(28手目 7二銀まで)

・2017/07/31 竜王戦決勝トーナメント 羽生-稲葉戦

 

この局面で▲4五桂が成立するかどうかが難しいところなのですが

検討された順としましては

▲4五桂△8八角成▲同銀△3三歩

▲2四飛△2三歩▲2五飛△4四歩

▲5三桂成△同玉▲8五飛

のように進行したときに

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(参考図 39手目 8五飛まで)

先手からの攻めが続くかどうか難しいところのようです。

 

本譜は▲7七桂として桂馬の活用を図りました。

角道が止まった瞬間ですので

△4四歩で桂跳ねを防ぐのも自然なところです。

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(30手目 4四歩まで)

この局面で先手の指し手がいくつかあり、難しいところなのですが

実戦の進行は▲9六歩でした。

 

喜び勇んで△8四飛は▲4五桂で角が取られてしまいそうです。

また、△4三金もある手に見えますが

▲3五飛△8四飛▲8五飛△同飛▲同桂で

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(参考図 37手目 8五桂まで)

この局面で形勢に大差はついていないのですが

金が三段目にいて飛車交換になるのは、

飛車に対する陣形差の分だけ後手が戦いにくそうです。

 

一手一手が難しいところになっていますが

稲葉八段の選択は△8六歩でした。

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(32手目 8六歩まで)

ここから実戦は

▲9七角△4三金▲3五飛△8四飛

▲8五歩△8二飛▲8六角△7四歩▲7五歩

と進みました。

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(41手目 7五歩まで)

 

途中、△8二飛を替えて△7四飛も有力で

以下①▲7五歩△5四飛▲2五飛△3二銀▲8六角

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(参考図 43手目 8六角まで)

先手は2筋に歩が使えると攻められそうなのですが、2八に歩がいてできません。

後手も飛車が少し窮屈で威張れるものではありません。

難しい将棋になりそうです。

△7四飛に

②▲8六角△7六飛▲8七金△7四飛▲4六歩

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(参考図 43手目 4六歩まで)

攻めは先ほどの変化よりもありそうな形ですが

8七の金の形になりますので、守りに不安はあります。

これも難しいですね。

 

さて本譜の進行に戻りましょう。

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(再掲 41手目 7五歩まで)

ここで後手の対応は①7三銀②6四歩③7五同歩などがあります。

①7三銀は7四歩からの継続で駒を活用していく手ですが

▲6五桂△6四銀▲7四歩と進むと先手の駒が捌けてきます。(形勢は互角)

②6四歩は桂馬を取ろうという狙いですが

▲7四歩△7六歩▲6四角△7七歩成▲同金△7三歩▲4六角で

後手の指し手が難しかったようです。(先手有利?)

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(参考図 49手目 4六角まで)

 

③7五同歩は▲同飛で

7七桂の頭も守り、歩越し飛車の悪形を解消できるので

先手気分の良い展開ですね。(互角~先手指しやすい)

 

本譜は③7五歩の進行で以降ジワジワと陣形を進めていく展開になりました。

 

このように27手目▲8四歩の展開は、△8四飛と歩を払うことが難しく

85飛と回るような展開を含みにしつつ指していくことになりそうです。

 

もう一つの実戦例を見ていきましょう。

・2017/10/10 順位戦C1 佐々木勇気宮田敦史

勇気先生の勇気流は持久戦調になった場合に▲4六歩と突いていることが多いです。

本譜も27手目は8四歩ではなく、4六歩を選択されていました。

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(27手目 4六歩まで)

この4六歩がなんなのかの説明は、

現在執筆中とウワサの勇気先生による勇気流解説本に

おそらく記載されるのではないかと期待していますので

ここでとやかく言うのはやめます。

実戦は陣形整備として△5二金、

そこで▲8四歩と時間差でいきました。

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(29手目 8四歩まで)

 

後手は陣形が不安定で角が向き合っていますので、

角交換から6一角や7一角の筋があり、7一の銀を動かせません。

△4四歩は▲4五歩の仕掛けもありますし、

6六角で8四の歩を安定させてから8八銀として陣形を良くしていく手もあり得ます。

2二銀から2三銀などを目指しますが、

本譜△2二銀に▲3三飛成!が成立します。

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(31手目 3三飛成まで)

△同銀▲8三角で

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(33手目 8三角まで)

次の▲6一角成を許すわけにはいきません。

△7二銀には▲同角成△同飛▲8三歩成で先手有利は間違いないですね。

本譜は

△5一金▲6六角

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(35手目 6六角まで)

次に▲4七角成~▲8三歩成が分かりやすい攻めです。

後手が△2四飛と攻防に飛車を打っても、

▲4七角成△2八飛成▲8三歩成で先手良さそうです。

かといって、▲4七角成に△8四飛上▲同角△同飛▲8八銀の進行も

先手陣が形が良く、馬も手厚いですね。

持ち駒の飛車も攻め駒として働きそうな形なので先手優勢だと思います。

 

もどって、28手目△5二金が失敗だったかもしれません。

では28手目は何を指せばよかったのか、

というのを次回の記事で考えてみたいと思います。

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(再掲 27手目 4六歩まで)

 

記事が長くなってきましたので今回はここまでにします。

 

 

横歩取り勇気流~85飛-25飛型④(先手急戦策25手目83歩)

どうも、タネタです。

横歩取り勇気流の序盤を勉強していく記事です。

 

横歩取りの出だしで17手目6八玉として先手が勇気流を明示した局面から

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(17手目 6八玉まで)

 

後手は△8五飛~△2五飛~△8五飛として

先手に2筋の歩を打たせる対策の序盤について見ています。

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(22手目 8五飛まで)

この局面から先手は▲3七桂として速攻の気配を漂わせ、

△8二飛と大人しく飛車を撤退するのが定跡の進行になっています。

仮に、この△8二飛を怠った場合の先手の指し手は

前回までの記事にまとめましたのでご参考ください。

横歩取り勇気流~85飛-25飛型②(後手の変化球24手目44歩) - 将棋序盤好きの小言

横歩取り勇気流~85飛-25飛型③(後手の変化球24手目42玉) - 将棋序盤好きの小言

 

今回の記事では△8二飛に

▲8三歩として、先手から勢いよく襲い掛かる順を見ていきます。

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(25手目 8三歩まで)

 

▲8三歩からの急戦策はプロの実戦で2局(2017年10月筆者確認時点)あり、

結果は先手2勝です。

私の棋力でソフトで解析したところ、

しばらく先手の攻めが続くものの先手にもかなり研究が必要で

先手最善の頑張りでも評価値は-250~+150あたりの互角

攻めを間違えるとすぐに評価値が-500ほどと

先手悪くなりやすいというのが現在の感想で、

プロの実戦でも途中は後手良しの局面があり

そこから逆転して先手勝ちという将棋でしたので

▲8三歩から攻勢を取りに行かずに、

▲3八銀から攻めを作っていくのが作戦としてはベターなように感じています。

 

そのためこの記事でも▲8三歩からの急戦策について

突っ込んだ部分の変化などにはあまり触れずに

実際の進行を基に少し変化にも触れる程度になります。

 

▲8三歩の急戦を採用されたい方は

第75期順位戦C級2組7回戦(11/24)長岡裕也五段-上村亘四段戦

の先手の攻めは研究のし甲斐のある棋譜のように見えましたので、

ぜひ一度ご覧いただくことをお勧めします。

 

それでは前置きが長くなりましたが、定跡の進行を確認していきましょう。

▲8三歩△同飛▲8四歩△8二飛として後手の飛車を一度止めてからの

▲7七桂が狙いの攻めです。

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(29手目 7七桂まで)

飛車筋を止めずに▲7七桂は

△8七歩で角を取られてしまいますので、左桂を活用するためには

飛車筋を止めるのは必要手だったのですね。

 

ここから

第76期順位戦B級1組2回戦谷川-斎藤慎戦では

△8七歩▲同金の交換を入れてから△4四歩と受けました。

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(32手目 4四歩まで)

 

先手は▲6五桂と跳ねだしていきますが、

△8四飛が金取りになるので▲8六歩と受けることになり

△4三金で

▲5三桂成を受けつつ、3四の飛車取りで受けることができました。

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(36手目 4三金まで)

 

ここで飛車取りを受けるなら▲3五飛なのですが

△3四歩から飛車を追った後に△6四歩で桂馬を取り切れれば後手優勢です。

そこでここでは▲3五歩として飛車にひもを付け、

△3四金▲同歩で角取りになることを主張するのが最善のようです。

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(37手目 3五歩まで)

この後、後手が△5二金として受けた手の評価が悪く

評価値はしばらく先手有利+300ほどとなりました。

 

替えて△3四金▲同歩△2四角が感想戦や検討では最善だとなったようで

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(40手目 2四角まで)

このあとの展開として、△5四飛と回る、

5三桂成で歩が切れたら△5六歩が厳しい

など、先手は攻めると反動が厳しく

先手後手ともに難しい将棋になりそうです。

 

次に別の実戦として

第75期順位戦C級2組7回戦長岡-上村戦の進行を見ていきます。

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(再掲 29手目 7七桂)

先ほどはここから

△8七歩▲同金を入れて△4四歩でしたが

この実戦では△4二角でした。

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(30手目 4二角まで)

ここから▲6五桂△3三歩と進んで

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(32手目 3三歩まで)

▲6五桂が5三成と1一角成の両狙いですが、

さきほどの4二角が5三をカバーしつつ3三歩で角道も止まるので

いったんは大丈夫です。

この後▲4五桂△6二銀▲3五歩と進んで

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(35手目 3五歩まで)

 

いつでも△3四歩と飛車を取る手はありますが、

1一角成との交換になります。

先手は香を持てば▲5六香が楽しみで攻めが繋がりそうです。

そこで後手は飛車を取りを楽しみに我慢を重ねます。

35手目▲3五歩の次の狙いは

▲5三桂左成△同銀▲同右桂成△同角▲5四飛△4二銀▲3四歩で

▲3五歩を活かして攻められそうです。

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(参考図 43手目 3四歩まで 評価値52歩;-200、64桂;-100 深さ20)

 

35手目の▲3五歩の局面に戻りまして

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(再掲 35手目 3五歩)

後手は△2二歩としていよいよ飛車取りを見せますが

以下▲2四飛△2三歩▲2六飛△8四飛▲5六飛と進みました。

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(41手目 5六飛まで)

先手の▲3五歩は飛車を取られたときに同歩と取り返すような手での攻めを見つつ、

2四→2六→5六と活用する順も見ていた

飛車を取られても取られなくても活用する一手だったようです。

 

しかしついに8四の歩を取られてしまい、

現局面は先手歩切れになっていますので

先手はこれ以上の小技を掛けることが難しいです。

 

以下△5二金▲6六角△8五飛と進み

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(44手目 8五飛)

先手の攻めが忙しい局面で

以降難しい部分もありましたがやや後手に分があるような進行でした。

 

現状、実戦ではこの2局のみで

まだまだ定跡の整備が進んでいないことと思いますが

一直線の変化や深い研究が為されやすいところだと思いますので

自信のある方は自分で深く研究して採用されても面白いかと思います。

 

筆者の現段階での認識は

▲8三歩は無理攻めではないものの後手に受けられて容易でない。

先手を持って指すなら、3八銀以降の攻め筋を研究したい。

という感じです。

▲8三歩の急戦策で面白い攻め筋があるよーなどあれば

ご指摘いただけますと幸いです。

 

以上で今回の記事を終わります。

次回は85飛-25飛の最後の記事になると思いますが

▲3八銀としまって満を持して先手が攻めかかる展開を見ていきます。

横歩取り勇気流~85飛-25飛型③(後手の変化球24手目42玉)

どうも、タネタです。
横歩取り勇気流の序盤について勉強していく記事です。

 

横歩取り勇気流の基本図から

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(17手目 6八玉まで)

後手が△8五飛~△2五飛として先手に2筋の歩を打たせる展開を選択した形から

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(23手目 3七桂まで)

プロの実戦では△8二飛としているのですが、

24手目に8二飛以外の手を選ばれた場合に

先手はどのように指していくのかを勉強していきます。

 

前回の記事では24手目△4四歩として▲4五桂を防ごうとする展開を調べましたが、

▲3五飛から飛車交換を迫るのが面白そうな展開でした。

横歩取り勇気流~85飛-25飛型②(後手の変化球24手目44歩) - 将棋序盤好きの小言

 

今回の記事では24手目に4二玉として53の地点と32の金を補強する手を見ていきます。

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(24手目 4二玉)

 

飛車が85にいて、45桂と跳ねだしていけそうな場合なので

ここで▲3八銀と一度自陣を整備するのも悪くはありませんが、

強く▲7七桂と跳ねだして、2枚桂を中央に使ってみたいです。

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(25手目 7七桂まで)

 

技巧2ではここで最善手△8七歩なのですが

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(26手目 △8七歩まで)

以下、▲8五桂△8八歩成▲同銀△5五角打

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(30手目 5五角打まで)

として角を重ね打った手が88での2枚替えと37の桂取りです。

しかしそこで▲8四飛と回った手が

▲8一飛成~▲7三桂不成という厳しい攻め筋を見せているので

88での2枚替えでは馬あたりで攻めることができ、

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(35手目 8一飛成まで;

次の73桂不成が馬金両取りになるので

△99馬▲73桂不成などから攻めることができそう)

 

37角成では攻め合い勝ちを目指せそうです。

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(37手目 7三桂不成まで;

34桂、73桂不成で挟撃型になり後手苦しそう。)

 

ということで26手目△8七歩は自然に飛車を取っておいて先手やれそうなので

26手目は△8二飛と引くのも仕方がないかと思います。

 

△8二飛~△8七歩が入るとさすがに困ってしまいますので

▲8三歩~▲8四歩と止めてから▲4五桂で気持ちよく攻めることができそうです。

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(31手目 4五桂まで)

 

飛車を8筋に残しても攻めが無さそうであれば、

77桂に対して飛車が横に逃げる手も考えられます。

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(26手目 5五飛まで)

 

ここで▲8四飛も普通の好手だと思いますが、

面白そうな手として▲5六歩も考えていきます。

(ご指摘があり5六歩よりも有力な手がありましたので

5六歩の内容の後にその手について加筆しました。)

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(27手目 5六歩まで)

一見怖い手なのですが、

例えば歩がタダなので同飛と取ると

45桂から先手の攻めが快調に決まりそうです。

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(29手目 4五桂まで)

以下△4四角などと角を躱すと

▲6五桂△8八角成▲同銀で

▲8三角が金取りと次の5三桂左成の王手飛車があって先手やれそうです。

 

ということで後手は五段目に飛車がいることが重要なので

△1五飛と逃げることになりますが

▲8四飛と回っておいてから▲4六歩で

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(31手目 4六歩まで)

 

先手は4五桂からの攻めの権利を手に入れたので、

右銀を48から活用していって好きに指すことができそうです。

一例として駒組の途中局面ですが

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(参考図 37手目4七銀まで;

47銀38金37桂が好形。以下58玉から68銀で左銀も活用できれば文句なし)

のように先手は指したい手が多くあるのに対して、

後手は飛車も角も右の金銀も動かしにくくて

先手が楽しく指せそうな局面ですね。

 

また、先ほどの局面で

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(26手目 5五飛まで)

▲5六歩に替えて、

▲6五桂と桂馬をタダ捨てする手も有力です。(ご指摘いただいた手)

△6五同飛が自然ですが、

▲3三飛成△同桂(金もなくはない)に▲8三角で出来上がりです。

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(31手目 8三角まで)

飛車金両取りを防ぐ手段がないので、桂損は回復できます。

 

一例として△6七飛成▲同金△6二金(5一金もあるが、8二歩に同銀は7二飛なのでと金で桂香を拾われる。)▲5六角成

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(参考図35手目 5六角成まで)
 先手は2一飛から香車を拾って、3筋を攻めるのがわかりやすい攻めで

後手にはそれに匹敵する確実な、あるいは速い攻めが無さそうです。

 

今回の記事はこれまでとします。
横歩取り勇気流に対して

後手が8五飛~2五飛として先手に2筋の歩を打たせる形では

18手目から△8五飛~△2五飛~△8五飛~△8二飛と

飛車をブンブン振り回すのが定跡となっていますが

最後の△8二飛を怠った場合には

①45桂、65桂と左右の桂馬を中央に活用する。

②84飛や85飛などと飛車先の逆襲or飛車交換を迫る。

ことを意識することで先手が比較的容易に優勢を獲得することができそうです。

 

次回の記事からは定跡の進行をプロの実戦譜を参考に

25手目▲83歩の先手からの急戦策を勉強していきます。

横歩取り勇気流~85飛-25飛型②(後手の変化球24手目44歩)

どうも、タネタです。

横歩取り勇気流の序盤について勉強していく記事です。

 

今回は横歩取り勇気流の基本図から

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(横歩取り勇気流基本図 17手目6八玉まで)
後手が8五飛~2五飛として、先手に2筋に歩を使わせた後

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(23手目 3七桂まで)

定跡(プロの実戦の進行)では△8二飛と引くところを、

変わる手を後手が選択した場合

どのように先手は対応していくのか、

というところをソフト検討を基に考えていきます。

 

第一に、直前の▲3七桂から次の4五桂を見せられているので

後手はこれを受ける手を指す場合を見ていきます。

もっとも直接的に▲4五桂を防ぐ手は△4四歩ですね。

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(24手目4四歩まで)


これに対し、私のおすすめの先手の手は▲3八銀です。

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(25手目 3八銀まで)

 

ここでまた後手にいろいろ指し手が考えられるところですが、

例えば強気に△8六歩と8筋の攻めを見せてきたらどうでしょう。

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(26手目 8六歩まで)

ここで▲3五飛と飛車をぶつけていくのが、

勇気流の陣形を活かした面白い手だと思っています。

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(27手目 3五飛まで)

後手陣もほぼ初形で飛車の打ち込みは多くありませんが

先手陣は飛車打ちに強い陣形になっています。

 

仮に△8二飛と逃げるのであれば、

▲8五歩~▲6六角~▲8四歩~▲8五飛として

飛車先の逆襲をみせつつ、飛車を8筋で安定させることができれば

先手指しやすそうです。

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(37手目 8五飛まで)

(▲3五飛以下の)手順例:

△8二飛(疑問)▲8五歩△6二銀▲6六角△6四歩▲8四歩

△6三銀▲2五飛△2二銀▲8五飛

以下、後手が7四銀と飛車に当ててくる手には

▲8三歩成とあくまで飛車の取り合いを迫って、

△8五銀は▲8二とで先手が駒得を重ねられそうです。

▲8三歩成△同銀は▲8六飛で先手の飛車が安定し

先手指しやすそうです。

 

ということで、27手目に▲3五飛と飛車をぶつけたときに、

後手は逃げていては明るい未来を望め無さそうです。

27手目▲3五飛△同飛▲同歩が自然な進行と考えられます。

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(29手目 3五同歩まで)

ここで生じた隙間に△3六歩とねじ込んで、桂頭攻めが見えますが

▲2五桂と角当たりで躱すことができます。

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(31手目 2五桂まで)

△4二角や△2四角と逃げるのは

▲4四角と角まで活用されて後手苦しいです。

かといって△2二角と引くのは

▲8五飛や▲8四飛と打っておいて

後手の打った8六の歩が泣き所になります。

 

このような進行が考えられるため、

26手目に△8六歩と打った局面からのソフトの形勢評価は

先手に+250点ほど(技巧2で深さ25)です。

一般に初形での評価値は先手約+100と言われていますので

やや先手がポイントを稼ぐことができていると思われます。

(余談、

35飛同飛同歩25桂に15角と躱し、

16歩37角成の進行がソフトでは本線のようですが、

筆者にはよくわからない攻め合いになったので、

この記事でその進行は取り上げません。)

 

再び25手目3八銀の局面に戻って考えてみましょう。

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(再掲25手目 3八銀まで)

 

先ほど、▲3五飛から飛車をぶつけてくる順がありましたので

後手も飛車に強い陣形を作ろうと△7二銀とする順も見てみましょう。

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(26手目 7二銀まで)

やはりここでも▲3五飛が良いようです。

以下先ほどの変化と同様に進んだときに

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(31手目 2五桂まで)

手順:

▲3五飛△同飛▲同歩△3六歩▲2五桂

やはり△4二角や△2四角では▲4四角でマズいので

△2二角としたいのですが、△7二銀としたために

▲8二歩で駒損確定でやはりマズいです。

 

△7二銀型の8筋に強いメリットが生かそうと、

△8二飛と飛車交換を拒む順は考えられるかもしれません。

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(28手目 8二飛まで)

 

ここで先ほどと同様に▲8五歩から8筋逆襲を目指してみましょう。

▲8五歩△4三金▲6六角△3四歩▲6五飛△5四金▲2五飛△2四歩

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(36手目 2四歩まで)

△4三金~△5四金が力強い構想で

△2四歩まで指すことで、▲8五歩を取りきることができます。

形勢は先手+200ほどで悪いわけではないのですが

8筋逆襲が成立しないのであれば、

▲8五歩や▲6六角以外の手を選んでみたいですね。

 

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(再掲28手目 8二飛まで)

8筋逆襲に替わる手として、▲4六歩が面白そうです。

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(29手目 4六歩まで)

ここからは先手後手ともに手が広いところかと思いますので、

一例程度になりますが、

45歩から3,4筋が戦場になることが考えられ、

45桂から53の地点を狙うような攻めが考えられます。

したがって、△6二玉と戦場から遠ざかりつつ

53の地点にも紐をつける手は考えられます。

そこで勢いよく▲4五歩か、

▲8五歩と高く抑えてから仕掛けるか、

▲8七歩と大人しく収めてから仕掛けるか、

を選択していく展開が予想されます。

どちらにしても、先手に仕掛けの主導権があり

工夫のし甲斐がありそうな局面ではないでしょうか。

 

長くなりましたので、今回の記事はここまでで終えます。

 

勇気流対策として、85飛-25飛の形を採用した後手が

24手目4四歩として▲4五桂を防いだ場合

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(24手目 4四歩まで)

先手は▲3八銀と整えてから▲3五飛とぶつけていくのが面白い展開で

飛車交換から桂頭攻めには、85飛など飛車を急所に打ち下ろして

攻め合い勝ちを狙う展開、

△8二飛と飛車交換を拒む手には、

・▲8五歩~▲6六角以降、8筋逆襲を狙うか

・4六歩から4筋で手を作っていくか

という展開

になるのではないでしょうか。

 

次回の記事では

85飛-25飛型で24手に82飛としない順のパート2として

44歩以外の手を見ていきたいと思います。

横歩取り勇気流~85飛-25飛型①(序盤の流れと分岐)

どうも、タネタです。

横歩取り勇気流の序盤の定跡を勉強していく記事です。

前回までは勇気流に対して、

後手が2二銀・8二飛に構える展開について見ていきました。

今回からは別の後手の勇気流対策として

△2五飛と回って、先手に▲2八歩と2筋に歩を打たせる展開を見ていきます。

 

以前書いた後手の対策②の形です。(↓以前の記事)

taneta0618.hatenablog.com

 

まずは勇気流基本図の局面から見ていきましょう。

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(勇気流基本図 17手目▲6八玉まで)

 

ここから△8五飛と一つだけ引くのが後手の狙いです。

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(18手目△8五飛まで)

この局面で次の△2五飛を防ぐのが難しいです。

▲3八金として△2五飛に▲2七歩としてもダメではないと思いますが、

それは後手の言い分が存分に通って先手としてちょっと面白くない展開です。

 

そこで△2五飛を防がず、▲3六歩と桂馬の活用を急ぎます。

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(19手目▲3六歩まで)

後手は狙い通り△2五飛としてきます。

先手も大人しく▲2八歩と土下座しておきましょう。

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(21手目▲2八歩まで)

ここで後手が変なことをしていると、

▲8四飛として後手にも8筋に歩を謝らせることができます。

あるいは、▲3七桂と飛車にあてつつ攻めの桂馬が跳ねだしていけます。

したがってここは後手もすぐに△8五飛と戻っておくところです。

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(22手目△8五飛まで)

 

このように序盤で飛車を△8五飛~△2五飛~△8五飛とブンブン振り回していくのが

今回タイトルにも書いた勇気流への対策85飛-25飛型です。

 

22手目△8五飛の局面では先手の指し手に▲3八銀と▲3七桂があるのですが、

基本的に大差はないです。

このブログでは、本筋ではないのですが急戦になった場合に得をしたいので

▲3七桂を選択していきます。

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(23手目▲3七桂まで)

 

ここで先手としては一応おさえておきたい変化があります。

プロの実戦では△8二飛の一手なのですが、

この局面をソフトに検討させると、

「△8二飛以外の手でも互角」という評価になっています。

 

マチュアの短時間の将棋で、ここで変化されると

相手に研究がありそうで少し怖いところがありますね。

 

しかし、ソフトの読み筋を追っていくと、

比較的後手に苦しそうな手が多く

きちんと指せば先手やれそうな雰囲気でした。

85飛-25飛型の記事では

・「24手目82飛以外の展開」をまずは調べていこうと思います。

次に

24手目△8二飛に対して速攻を仕掛けていく

・「25手目▲8三歩」の展開を見ていく予定です。

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(25手目▲8二飛まで)

 

個人的にはここまでは変化の一つと見ています。

これ以降にとりあげる

先手3七桂・3八銀の形を作ったところからの展開が本筋なのかなと思っています。

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 (25手目▲3八銀まで)

この局面で△4四歩は45桂を警戒したありそうな一手ですが、

6八玉型を活かした攻めが飛んできます。

したがって最近の実戦例ではここで△4二玉とすることが多いです。

そのあたりの展開を見て

勇気流対策85飛ー25飛型の記事をいったん終える予定です。

 

近いうちに

「24手目82飛以外の展開」の記事から書いていく予定です。

よろしくお願いします。